整形外科

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整形外科

整形外科では子供さんの外傷からお年寄りの骨粗鬆症まで幅広い診療を行っております。特に脊椎や膝・股関節、手指の疾患や外傷の診療に力を入れており、診断から手術、リハビリテーションまで一貫した治療を行っています。
九州大学医学部整形外科教室と連携して内視鏡手術、人工関節置換術などの専門的な治療も行っています。また手術後は専任の理学療法士が早期の回復に向けてリハビリテーションを行っていきます。

肩・肘

反復性肩関節脱臼

肩関節内を固定する靭帯が伸びたり、関節内に骨折をきたすことで関節の安定性がなくなり、脱臼をくり返す状態です。スポーツや日常生活でも関節が外れてしまうことがあります。

反復性肩関節脱臼のイメージ画像
治療

リハビリなど保存的治療で改善がはかれない場合は壊れた靭帯や骨折を修復する手術を行います。手術後は1~2か月で日常生活が可能となり、3~6か月でスポーツに復帰できるようになります。

腱板断裂

肩甲骨と上腕骨をつないでいる腱(腱板)が切れてしまった状態をいいます。転んだ際に手や肘をついたり、重いものを持ち上げたりした時に発症する場合が多いです。症状としては夜間の痛み、腕の上げ下げの際に痛みや引っかかりを訴えたりします。

腱板断裂のイメージ画像
治療

リハビリなどで改善がみられない場合は手術で断裂した腱板を修復します。日常生活の復帰には大体2か月程度を要し、6か月で重労働も可能となります。

肩関節拘縮

五十肩に代表されるような肩の痛みと関節の可動域が制限されることが主な症状です。大部分は自然に改善しますが時間を要するため日常生活に支障をきたします。

肩関節拘縮のイメージ画像
治療

痛みに対して注射やリハビリなどが効果的です。ただし外傷、糖尿病などに合併する拘縮の場合はリハビリなどでは治らないことがあり、その場合は手術治療が効果的です。

肩インピンジメント症候群

野球やテニス、バレーボールなどのスポーツ、建築などの仕事で肩をあげたり、動かした際に引っかかり感(インピンジ)や痛みなどの症状の総称です。肩インピンジメントは以下の2つに大別されます。
関節外インピンジメント:骨、腱板、滑液包が挟み込む
関節内インピンジメント:関節に付着している関節唇が挟み込む
原因は肩関節の変形などで滑液包炎などをきたし、肩の動きにともなって腱板が挟み込む場合と、肩関節の拘縮、肩甲骨の可動不全などで肩関節の隙間がせばまって挟み込みをきたす場合があります。放っておくと痛みが慢性化したり、腱板損傷をきたすことがあります。

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治療

痛みをおこす動作を避け安静を保つこと、局所注射や飲み薬などの治療、リハビリが主体ですが改善がはれない場合は手術が行われることもあります。

投球肩障害

野球やバレーボール、テニスなどでボールを投げたり打ったりする際に痛みを訴えるスポーツ障害です。

投球肩障害のイメージ画像
治療

リハビリが中心で、肩に負担のかからないフォーム作りから始めます。すでに肩関節の中が壊れてしまっている場合は手術治療が必要となります。

野球肘・テニス肘

野球肘はくり返し投球動作をすることにより生じる肘の痛みやしびれの総称です。代表的な障害に内側側副靭帯損傷、上腕骨離断性骨軟骨炎があります。
テニス肘はくり返しストロークを行うことで肘の痛みを訴える障害です。多くは肘関節外側の伸筋腱炎が原因で手をひねったり、ものを持ち上げたりする動作で痛みを訴えます。

野球肘・テニス肘のイメージ画像
治療

いずれもスポーツの休止、局所の注射、リハビリなどの保存治療が中心ですが改善がみられない場合は手術を行うこともあります。

股関節

変形性股関節症

先天的な疾病(先天的股関節脱臼、臼蓋形成不全)や加齢によって関節軟骨の変性、摩耗が生じ、関節全体が変形するために股関節の痛み、歩行障害を引き起こします。

変形性股関節症のイメージ画像
治療

飲み薬やリハビリなどの保存的治療で改善がみられない場合は人工関節置換術を行います。

股関節インピンジメント(FAI)

股関節の臼蓋側と大腿骨側に引っかかり(インピンジ)をきたすことでしゃがんだ際や長い距離を歩いた際に鼠径部に痛みを訴える状態です。進行すると安静にしていても痛く、股関節の引っかかり感やクリック音を伴うことがあります。

股関節インピンジメント(FAI)のイメージ画像
治療

飲み薬やリハビリなどの保存的治療が主体ですが、これらで改善がみられない場合は手術を行うことがあります。

変形性膝関節症

加齢や肥満、けがなどにより膝関節の軟骨がすり減り、関節が変形する病気です。中年以降の女性に多く、症状としては初期には動作時の膝関節の痛みで、進行するにしたがって歩行が困難となります。また関節可動域の制限をきたし膝の屈伸ができなくなったり、関節に水が溜まる、変形(O脚)を生じたりします。

変形性膝関節症のイメージ画像
治療

日常生活指導、関節内注射や飲み薬などの薬物療法、装具装着、リハビリによる保存的治療が主体ですが、改善がみられない場合は以下のような手術治療を行います。

内視鏡下手術:軟骨・半月板損傷、関節内遊離体などに対して行います。
骨切り手術:骨を切り、変形を矯正することで膝関節の安定性を図ります。比較的若い年代の患者さんが適応になります。
人工関節置換術:関節の変形が進行し、痛みや歩行障害がつよい患者さんが対象となります。近年は人工関節の耐久性が15~20年となり一般的には60歳以上の患者さんが適応となります。

前十字靱帯損傷

前十字靱帯とは膝関節の中にある靱帯で、運動時などに膝を安定させる役割をしています。前十字靱帯損傷はスポーツで受傷する膝のけがの中でも非常に多く、前十字靱帯が断裂すると膝の不安定性をきたします。また、長期間放置すると半月板を傷めたり関節軟骨を傷つけたりするため早期に変形性膝関節症になると言われています。

前十字靱帯損傷のイメージ画像
治療

リハビリなどの保存的治療で改善がみられない場合は手術が行われることがあります。手術後もリハビリが重要で、完全にスポーツに復帰できるには6カ月~1年程度を要します。

半月板損傷

半月板は膝関節内・外側に1対ずつあり膝の動きをスムーズにしたり、ジャンプなどの衝撃に対してクッションの役割をしています。強く膝をひねった際に半月板がこすれて損傷すると、膝の痛みや膝関節が曲がらなくなるなどの症状を認めます。損傷が大きいと膝を曲げた際に引っかかる感じや、膝が曲がらない状態(ロッキング症状)をきたします。また、放置しますと関節の軟骨を傷つけ変形性膝関節症の原因となります。

半月板損傷のイメージ画像
治療

多くは関節内注射や飲み薬、リハビリなどで軽快します。症状が続く場合や、膝に水が繰り返し溜まるなど症状の改善がみられない場合は手術を行います。一般的には内視鏡下で損傷した半月板の縫合や切除を行います。手術後は2~3週間でリハビリを開始し、3カ月以降からスポーツも可能となります。

手根管症候群

手首に骨と靱帯に囲まれたトンネル状の隙間を手根管といい、腱や神経が走向しています。手根管症候群とは、手根管が狭くなることで正中神経が圧迫された状態のことを言います。手を使う仕事やスポーツをする人、更年期の女性に多くみられます。初期の症状は示指~中指の痛み・しびれが主ですが、進行すると親指~薬指の一部までしびれが拡がり、母指を動かしにくくなります。

治療

局所の注射や飲み薬、リハビリを行いますが、改善がみられない場合に手術(手根管開放術)を行います。手術後の傷も小さく、数ヵ月後にはほとんど目立たなくなります。

ばね指

指の曲げ伸ばしに関わる腱、および腱の通り道である腱鞘が炎症をおこすことで指の付け根の痛みや腫れを生じます。病状が進行すると‘ばね現象’と呼ばれる指の進展障害をきたします。

治療

局所の注射や飲み薬などの保存的治療が主ですが、改善がみられない場合は局所麻酔下で腱鞘切開術を行います。

マレット変形

スポーツなどで突き指をきたした際に伸筋腱が損傷したり、関節内に骨折を生じることで指先が木槌状に変形した状態のことをマレット変形といいます。

治療

装具固定が一般的ですが、骨折を伴っている場合は手術を行う場合があります。

足関節インピンジメント症候群

スポーツや仕事などで足首をひねってから痛みがなかなか取れない、あるいはいったん治ったと思っても痛みをくり返し、日常生活に不自由を感じることはよくあります。この原因の一つに足関節インピンジメント症候群が挙げられます。足関節インピンジメント症候群は以下の2つに大別されます。

1.ソフトインピンジメント:捻挫の治療が不十分であったり、捻挫をくり返すことで肥厚した滑液包や靱帯が関節面に挟まり込むことです。

2.衝突性外骨腫:スポーツなどのくり返しの動作で足関節面に骨のとげ(骨棘)が生じ、足首の動きをさまたげたり、足前方の痛みを訴えます。

治療

手術にて骨組織を取り除くことで症状の改善がはかれます。

離断性骨軟骨炎

10代のスポーツ選手によく発生し、関節面が繰り返し衝突することで軟骨下骨が壊死をきたし、軟骨が剥がれる状態と考えられています。初期の症状は足首の軽い痛みですが進行すると痛みのため歩行が困難となり、可動域の制限が生じます。

治療

早期であれば装具の装着、リハビリなどの保存的治療を行います。
進行している場合は手術(軟骨の固定術や、軟骨移植術)が行われることがあります。
いずれにしても軟骨の再生には時間を要するため手術後は一定期間足に荷重をかけないようにすることが必要となります。

距骨骨軟骨損傷

スポーツなどで足首の捻挫、骨折などをきたした際に距骨の軟骨の一部が剥がれる、欠けるなどをきたした状態です。症状は受傷後しばらくしても足首の痛みがとれない、あるいは引っかかりがあるなど病期によって症状の程度はさまざまです。

治療

早期であれば足関節の固定を行い、リハビリなどの理学療法が行われます。進行している場合は手術が行われることがあります。

足関節外側靱帯損傷

足関節外側靱帯はくるぶしを固定する靱帯で、足首を内側にひねった際に損傷します。スポーツによる外傷では最も頻度の高いもので、そのほとんどは保存的治療で完治しますが捻挫の治療が不十分であったり、捻挫をくり返すことで関節の不安定性をきたした状態、つまりくせになった場合は手術の対象となります。

治療

足関節の固定やリハビリによる治療を行います。改善がはかれない場合は手術が行われることがあります。

アキレス腱断裂

踏み込みやダッシュ、ジャンプなどの急な動作でふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋) が急激に収縮した時や、急に筋肉が伸ばされたりした時に発生します。腱の変性が関与していると言われています。中年期以降にみられ、スポーツ競技中に受傷することが多いです。症状としては急激な痛みと、歩行障害をきたします。

治療

ギプスや装具による保存的治療と、断裂したアキレス腱を縫合する手術治療がありますが、断裂が大きい場合や、早期にスポーツ復帰を希望される場合は手術が勧められます。治療後4ヵ月で軽い運動は可能となりますが、完全にスポーツに復帰できるのには6ヵ月はかかります。

関節内視鏡検査・手術とは

関節内視鏡検査・手術は関節周囲の皮膚に小さな穴をあけ、そこから内視鏡を挿入し関節内を直接観察することで異常の有無を正確に診断でき、組織の修復や異物・損傷組織の摘出などの治療を行うことができるため関節外科領域では欠かすことのできない手技となっています。
関節鏡手術の利点は侵襲が少ないため手術後の痛みが少なく、早期の回復が期待できます。また創が目立たないので美容的にも優れています。当院では現在は主に膝関節の手術に対し関節内視鏡手技を積極的に取り入れ治療を行っております。

外傷・骨折

当院は救急指定を受けており、小児から高齢者までの外傷患者さんの治療を積極的に行っています。小さな傷の処置から手指の外傷に対する腱・神経の縫合術、四肢の複雑な骨折に対する骨接合術まで対応していますのでお困りの際はご相談ください。

外傷・骨折のイメージ画像

脊椎

椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、脊椎圧迫骨折など脊椎の疾病は多く、腰痛や手足の痛み、しびれなど症状も多岐にわたります。

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治療

局所の注射や飲み薬などの薬物療法、けん引治療や温熱療法、およびリハビリなどの物理療法を中心に行い、手術が必要になる場合は当院では連携を含め対応しております。

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨の量が減少することで骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。日本には約1200万人の患者さんがいるといわれており、今後も高齢化に伴って骨粗鬆は増加すると考えられています。骨粗鬆症をきたすと転倒などの際に骨折しやすくなります。多くは脊椎の圧迫骨折、手首の骨折、大腿骨頚部骨折であり日常生活に支障をきたしたり、寝たきりの原因になることもあります。特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化に関係しています。

骨粗鬆症のイメージ画像
治療

当院では骨密度測定、レントゲン検査、血液検査で骨粗鬆症の診断を行い、患者さんに応じた治療法を選択します。

関節リウマチ

関節リウマチは関節に炎症がおきることで痛みや腫れ、変形をきたす病気で、しばしば発熱や倦怠感など全身の症状を引き起こすこともあります。炎症が長期にわたると関節の骨や軟骨が破壊され、関節が変形してしまい日常生活に支障をきたすことになります。我が国の関節リウマチ患者さんは約100万人いると言われており、特に30代以降の女性に多い傾向があります。原因はわかっていませんがウイルス感染と免疫の異常が関わっていると考えられています。症状はいくつかの関節が左右対称に腫れて痛くなります。また関節以外の内臓にも病気がおよび、多彩な症状をともなう事があります。関節リウマチは根本的な原因・治療法がわかっていないため、いまのところ病気の進行を抑え、関節の変形を生じさせないことが治療の中心となります。したがって、より早期に病気をみつけて治療を始めることが病気の進行を遅らせる最善の手段です。

治療

薬による治療が中心で、その他に理学療法、手術治療など個々の患者さんに応じた治療法が選択されます。

スポーツ外傷

スポーツの領域は多岐にわたり、学校体育やリクリエーションによるけがの治療のみならず、各種のスポーツによる障害・外傷の特徴を理解したうえで、スポーツ復帰を目的に適切な治療法を選択します。

スポーツのイメージ画像
治療

治療としては装具、運動療法、リハビリ治療などを中心に、障害に応じては手術治療が必要な場合があります(各領域別治療法をご参照ください)。